スタッフブログ Blog
2023.05.15.
福祉制度解説
障害者総合支援法とは
こんにちは!
障害者就労移行支援事業所スマイルハートです!!
スマイルハートでは、障害をお持ちの方の就労支援を行なっています。
今回は『障害者総合支援法』について、詳しく解説していきます!!
- 1.障害者総合支援法とは
- 2.障害者総合支援法の目的と基本理念
- 3.障害者総合支援法のサービスの枠組み
- 4.障害児を対象とする障害者総合支援法のサービス
- 障害者総合支援法の対象者と利用方法
- 障害者総合支援法下のサービス利用料と自己負担
- まとめ
1.障害者総合支援法とは
タイトルの障害者総合支援法とは、正式な名称を「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」と言います。以降の説明では障害者総合支援法と表現させていただきます。障害者総合支援法は2013年に施行された、障害者と障害児を対象とした障害保健福祉施策について定めた法律です。障害保健福祉施策はノーマライゼーションの理念に基づいた2003年の支援費制度を皮切りに大きく変わり、その後も、改正を重ねて現在に至ります。
障害者総合支援法は2013年に施行された障害者と障害児を対象とした障害保健福祉施策について定めた法律です。障害保健福祉施策はノーマライゼーションの理念に基づいた2003年の支援費制度を皮切りに大きく変わり、その後も、改正を重ねて現在に至ります。
ノーマライゼーション理念とは
ノーマライゼーションとは、障害者を特別視するのではなく、障害のない人と同じように社会で暮らしていけるようにするという考え方
※支援費制度とは以前の障害者は措置制度となっておりました。老人福祉の分野ではサービスは個人の意思に伴う契約制度となり、障害福祉の分野でも措置制度から契約制度へと変更となっております。この制度に伴い、障害をお持ちの当事者様とサービスを提供する事業者側で対応な立場でサービスを選択することとなります。
2.障害者総合支援法の目的と基本理念
障害者総合支援法の理念○ 「自立」の代わりに、新たに、「基本的人権を享有する個人としての尊厳」を明記。
○ 障害福祉サービスに係る給付に加え、地域生活支援事業による支援を明記し、それらの支援を総合的に行うこととする。
さらにまとめると以下のようになります。
①障害者も他の国民同様に個人として尊重される
②障害の有無に関係なく相互に人格と個性を尊重し合える共生社会を実現する
③障害者・障害児が可能な限り身近な場所で支援を受けられること
④社会参加の機会が確保されること
⑤どこで誰と住むかなど他者との共生が妨げられないこと
⑥障害者・障害児が社会生活をする上での障壁の除去に資すること
3.障害者総合支援法のサービスの枠組み
障害者総合支援法下のサービスは、障害者と障害児という対象者で明確に分けられています。障害者へのサービスは自立支援給付という給付金の対象サービスです。自立支援給付には、介護系サービスの介護給付、自立、社会生活を支援する訓練等給付、相談支援、地域生活支援事業があります。
《介護給付のサービス》
・居宅介護
・重度訪問介護
・同行援護
・行動援護
・重度障害者等包括支援
・短期入所(ショートステイ)
・療養介護
・生活介護
・施設入所支援
《訓練等給付のサービス》
・自立訓練
・就労移行支援
・就労継続支援(A:雇用型 B:非雇用型)
・就労定着支援
・自立生活援助
・共同生活支援(グループホーム)
《相談支援のサービス》
・計画相談支援
・地域移行支援
・地域定着支援
《自立支援医療》
・更生・育成医療
・精神通院医療
《地域生活支援事業》
地域生活支援事業は市町村事業と都道府県事業に分けられており、相談支援や障害者支援に関わる人員の派遣や養成、研修など間接的なサービスが多くなっています。
《補装具費支給制度》
障害の状況から必要になる補装具の購入、借受け、修理に関する費用も自立支援給付の範囲内となっています。補装具の種類は、義肢・装具・車いすなどが対象となります。
利用の際には、市町村に費用支給の申請を行います。
複数のサービスについて調べたり、役所の担当者や相談支援員、その他の支援員との相談や助言を受けながら、自身に必要なサービスを選択することとなります。
4.障害児を対象とする障害者総合支援法のサービス
障害児が対象となるサービスは、一部障害者の給付サービスが含まれる以外に、下記のようなものがあります。・都道府県の管轄となる障害児入所支援(福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設)
・市町村の管轄となる障害児通所支援(児童発達支援、医療型児童発達支援
・放課後等デイサービス
・居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援)
障害者総合支援法の対象者と利用方法
障害者総合支援法の対象となるのは?障害者総合支援法の対象者は、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害を持つ成人と児童、そして300種類以上ある難病患者です。障害者総合支援法になり障害者自立支援法までは対象でなかった発達障害と難病が含まれるようになったのは大きな前進といってよいでしょう。
法律名に「障害者」と表記されておりますが、障害者手帳を所持されている方のみが対象という訳ではありません。支援を受けられる対象の方が広がり、よりサービスを利用しながら社会生活を送りやすくなったとも言えます。
1.移動や動作等に関連する項目
2.身の回りの世話や日常生活等に関連する項目
3.意思疎通等に関連する項目
4.行動障害に関連する項目
5.特別な医療に関連する項目
ただし、場合によっては障害区分により受けられるサービスが変わってきます。
指定特定相談支援事業者にサービス等利用計画案を作成してもらい、市町村の支給決定を受けてサービス担当者会議、最終的にサービス等利用計画の作成を経てサービスの利用が開始されます。
※就労移行支援のサービスを利用する場合には、認定調査の実施は必要となります。サービス等利用計画書については、相談支援員以外の方で作成するセルフプランでの提出も可能とする市区町村もございます。
障害者総合支援法下のサービス利用料と自己負担
日本における福祉サービスの利用料の大部分は税収により賄われています。国民の大部分が利用する年金制度や保険制度については税金以外の形で別途徴収があるのは既知のことです。被雇用者の場合、毎月の給与からこれらの徴収額が差し引かれています。現在の少子高齢社会では、介護保険を中心とした高齢者福祉に掛かる費用の捻出が大きな問題となっており、今後ますます、国民の理解と負担が求められる部分です。
障害者総合支援法の各種サービスの利用料は原則毎月の支払いとなります。利用しているサービスの総額の1割が利用者負担(残りは給付、公費負担)となりますが、これではいわゆる”応益負担”という方式になり、問題となった障害者自立支援法と変わりませんので、ここに世帯収入の区分を設け、負担上限付きとしました。
その区分と上限月額は以下のようになっています。
①生活保護世帯…0円
②市町村民税非課税世帯…0円
③一般1
(市町村税課税世帯で収入がおおむね600万円以下)…9300円
(障害児の通所施設、ホームヘルプの利用は4600円)
④一般2(上記以外)…37200円
入所施設とグループホームの利用者で、市町村民税課税世帯であれば”一般2”の区分となりますので注意が必要です。
まとめ
つまり障害者総合支援法とは、対象者は害者手帳を取得している方のみと限定せず、日常生活や社会生活で生きづらさを抱えられている方へと幅広く利用いただけるよう制定された制度となります。また様々な福祉サービスの中から自身やご家族の選択により、日常生活や社会生活を充実させノーマライゼーションの理念に則り、基本的人権が守られた自立した社会生活を送れることを実現させていく制度となります。